安価な設計費、監理費について

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木になる噺し(ブログ)

安価な設計費、監理費について

2025/12/10

施工時のトラブル、違反建築の要因について

安価な設計費、監理費について

 工事途中の建物で図面の内容と異なった施工が発生する事があります。

施工上の問題、法律違反が工事途中や完了検査時に発覚する現象が起きる場合があります。

これらにはいくつかの要因があります。

 

1、設計料が安価である

2、工事単価が安価である

3、設計者の調査不足、能力不足である

4、施工者が図面をよく理解しないで施工している

5、設計者の了承なく、施主の要望で設計が変更となっている

6、施工計画上の理由で、仕方なく変更となった

 

この中でも、1から3の事例を考察したいと思います。

 

1、設計料が安価である事

 

極端に安価な設計費は、確認申請書に記載ある「設計者」や「監理者」とは名ばかりです。

「代願申請」とよばれている案件です。

 設計者と監理者は兼務することが多いため、「監理費」は安価な設計費に含まれ、計上されます。

 

安価な設計契約の場合、図面作成や申請代理行為で大半を要します。これで、設計費の大半は使い果たされます。

名ばかりの「監理者」であり、監理者不在の現場となる事で設計料の予算が枯渇し、現場に行けない現象が起きます。

 

この安価な設計費が招く悲劇は、名ばかりの監理者であり、監理者不在の現場では、誰の責任性か、誰に施工責任があるか要因が定まりません。

共通する要因の共通事項は、発注者が軽薄な認識不足であり、「監理費」に対して企画段階から十分に予算を確保していない事が、大多数です。

設計見積書(監理業務)

各監理業務の項目

2、工事単価が安価である事

 

複雑怪奇な違反だらけの現場になっている場合、その要因を調べていくと大半が、直接的な責任者が不明確な場合がよくあります。

建築確認申請書に設計者や監理者、工事施工者の名を記載しますが、この方々は法的な立場でいえば責任者ですが、この当事者は、契約金が安すぎたりして、名ばかりの責任者ということです。

こうした理由で、現場に行かない、行けない状態になります。

要因の大半は、依頼者である施主間との契約条件が受託者にとって、厳しすぎる条件であることです。

 

但し、このような現場でもこの当事者(設計者、監理者、工事施工者)のたった一人でも責任感の強い人がいれば、トラブルや違反を防げたのではと思う事があります。

このような現場を途中から、関わる事になる者達にとって、どこから精査すべきか、不明確な状態で工事が進行している場合が大多数です。

 

工事施工者について

 

工事施工者とは、工事責任者です。

建設会社で言えば、建築確認申請書に記載のある方がそれに該当しますので、代表取締役の名が記載されていれば、直接的にはそれに該当します。

現場監督がいる場合で、建築確認申請書に名が記載がなくても、工事施工者の一員ですので、間接的には該当します。

 建築確認申請書に代表取締役の名が記載されていれば、この工事の直接責任者は、建設会社の社長になりますが、本人に自覚がない事もよくある話です。

いわゆる代表取締役が監督も兼務している場合もこれに該当します。

 

現場監督について

 

比較的に建物が小規模な現場の場合、単に大工さんのお頭が現場監督している場合もよくあります。

 「大工さん監督」は、ケースが2つあります。

 

建設会社に勤務している大工さんであれば、監督兼大工さんであり「内勤大工さん兼務の大工」です。

外注先の下請けの大工さんが監督業を兼務している場合は、つまり「外注大工さん兼務の監督」です。

 

後者の外注大工さんのお頭が監督兼務ですと、問題工事現場になる可能性が増大します。

 理由は、直接工事である場合は、「内勤大工さん兼務の大工」の管轄下であり、責任性が伴います。

つまり、違反や問題が発生しにくいものです。

しかし、間接工事の「外注大工さん兼務の監督」では、よく違反が発生します。

 

過去の経験したケースでは、途中で監理者を引き受けたのですが、直接工事部分に関しての建物などの本体工事は違反がほとんど、ありませんでした。

しかし、間接工事の擁壁工事や外構工事に複数の違反箇所が発覚しました。

 

この案件でも、外構工事は、事実上監理者は、不在でした。

下請け外注大工さんは、本体工事の現場監督であり、外構工事は間接的な別途工事で責任が伴いません。

工事者責任が曖昧なまま、行政による違反指導が発覚して、違反是正の依頼が当社に来たケースでした。

 

監理者不在の現場でも、現場監督の守備範囲が広くしっかりしていれば、防げたものだと言えます。

計画段階で監理料を最低限でも見込んでいれば、防げたものと言えます。

 

3,設計者の調査不足、能力不足である事

 

過去の経験したケースでは、工事途中で土木事務所から突然違反是正の勧告文書が施主に届いたものでした。

土木事務所に行く前に、施主、現場代理者と直接、私に依頼してきた大工の友人とで、4者会談をしました。

事情を聴きますと現場代理人はいわゆる店舗屋です。

 店舗の改装企画から設計、事前調査、申請各種手続き、請負工事の窓口も兼務した、いわゆる一括請負でした。

精査しますと。店舗屋が、「設計者」「監理者」「工事施工者」です。

友人の大工は、外注大工さん兼務監督です。法的には、友人の大工は責任者に該当しません。

 

 違反是正の内容は、さまざまでしたが、致命的な違反是正は、前面道路が建築基準法上の道路扱いでなく、河川道路であった事です。

これは、建築物が前面道路に接していない建物であり、都市計画区域内では、建ててはいけない建物を意味します。

 

土木事務所と何度と協議し、この前面道路の扱いに関しては、覆せない問題ですので、他の違反部分を是正することで事態は収束しました。

 

土木事務所との協議で気づいた事は、この「店舗屋さん」には2級建築士である設計者が実在していました。

 

設計者の業務の航跡をたどると、十分な事前調査を行政に行わなかったのではないかと推測しました。

 いろいろ後で判明した事ですが、この建築士さんは女性であり、妊娠し、出産し十分な労務量と時間がなかったようです。

 

ただ後に思った事ですが、そんな状態であれば、建築士の仕事は途中でチェンジするか、代理者を設ければよかったと思います。

 

 違反防止策の大半は、有体に言えば、建物の権利を確保する事であります。

その意味では、工事中に問題を発生させない布石をこの設計者が打つのが、最大の業務だと思います。

 

これが、2025年4月以前の建築基準法上の欠点だったと言えます。

この制度上の欠陥を補う意味では、今年2025年の4月の改正には、一定の抑止力があると思います。

 

その意味からの第三者認証は賛成であります。

一方、各々の建築士がその責務内で、法を順守していればこんな制度必要なかったとも思います。

 

   第三者認証の介入は、建築コストをアップさせ、面倒な手続きを増大させた事も含め、残念でならない気持ちも強くあります。

 

   資格を有する=能力があるとは言えないのが現状でしょうか。

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