設計料と業務量

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木になる噺し(ブログ)

設計料と業務量

2025/12/14

設計料と業務量

近年少しだけ図面1枚あたりの単価をアップしました。

現場での検査項目も増え、作業量は増え続け、建築確認申請や許可などの審査内容も、

厳格化が行政から一方的に共用され、建築確認申請図面の記載内容も詳細な要求が増えました。

 

許可でも、過去のいい加減な許可内容や現象を精査し、過去と比較すると困難な許可条件で作業量も格段に増えていると思います。

それらにも応えてきました。

 

設計費の見積書を求められたときには、作業単位に内容を詳細に書くようにしています。

 師匠の元で働いていた30数年前、木造2階建ての代理申請をしていた時の見積価格は、¥200,000/件だったと記憶しています。

この小規模な木造であれば見積書を提出することもなく、口頭で決めていたと思います。

 現在は、30数年前より、建築確認申請の審査内容も、基礎設計、構造設計、シックハウス、地盤調査など、ざまざまに厳格になりました。

当時はフラットな敷地であれば、GL算定などもあまり要求されなかったと記憶しています。

付帯する申請も、省エネ適合判定申請があります。

とても、30数年前の設計費では、作業量が賄えません。

しかし、当時から設計の作業単価は、ほとんど変わりがありませんが、現在は作業量に応じて、設計料を算出しています。

 

 

今日日でも、依頼者は、設計料はいくらですか?と問われます。

 

設計料は、国土交通省が定める告示で指針があります。

これの試算方法で正確に出しますと、現実と乖離しています。

恐らく、この指針方法で算出した設計料金では、依頼を検討されているどの依頼者の要求にも応えられないと思います。

あまりにも高くなります。

 

国土交通省の告示では、簡単に言えば、設計作業、監理作業の労務費と経費を言っています。

 

 設計は、社会一般的に「製図する作業」だと思われている様です。

 

この事から「設計作業って一体何をしているか」を知る必要が必要があります。

 

設計作業(監理)とは

いくつか分類ができます。

 

・各種法の順守と第三者認証の代理行為(行政手続き)

・ゾーニング、プランニング、建物ボリュームチェックなどの基本設計

・施工図チェック、検査実施と立ち合い

・防水・雨仕舞等、構造的、設備や電気の普遍的な維持が可能かの追求と技術的な検討、知恵と工夫の作業

・建設作業上の留意点とリスクヘッジを計画段階から考慮する

・隣地や道路などの周辺環境との調和や配慮、安全性の検討

断熱性能などの室内外環境の検討と動線計画等の使用上の検討と工夫

・構造検討、設備検討、使用時の安全性、持続可能性の検討

・イニシャルコストの総工費のバランスとランニングコストの検討

・施主要望の順守と法適合のバランス

・マテリアル(材質)の選択とコストバランスの検討

・見栄えとデザイン

 

 などです。

大別すれば、

企画立案・基本設計とデザイン、行政手続き、納まり確認と維持存続の検討、現場安全性検討、コストバランスです。

 

 これらの事は、基本設計時の企画段階で同時に検討します。

企画段階で、概要はもうすでに決定します。

当然、建築確認申請提出以前は、すでに決定している事になります。

 

 この時点で、設計作業はの8割は、終了しているといえます。

2割は、現場での確認と問題発生時の解決策の模索となる業務といえます。

 

ですから、奥様が自ら、間取り図を描いて、

「私が設計したの」

と言われますが、基本設計のごく一部に参加されたという意味に受け取っています。

 


 

主な監理費の作業項目

設計料は作業量で定まる。

 

設計費の計上方法は、労務費+経費+外注費です。

経費で言えば、高速代と燃料費、駐車場代、用紙やインク代くらいです。

外注費は、地盤調査費と意匠・構造・設備・電気設計、省エネ設計です。

勿論、設計において自社で行う場合は、外注費でなく、労務費になります。

つまり、設計費=労務費+外注費+諸経費です。

 

ここでややこしいのが、労務費です。

 

労務費は、作業内容を積み上げる作業です。

 

 企画している時点の見積書作成時に、いかに詳細に作業内容を見詰め、枚数を積算し、労務量を定めるかを考慮する必要があります。

しかし、実際、許可などの場合、行政判断で作業量が増大する事もよくある現象です。

 

設計費を計上するうえで、いかに細かく、上記の1~9項を熟慮し、短期間で行えたかでも設計費のコストダウンにもなります。

この事から、労務量を元に労務費を算出することなどは、実際の実行段階でないと判明しない事であり、先に設計費を見積するのは、とても困難な事です。

 

企画段階では、見積書の提示を要求されますが、この作業量が根幹です。

その累積分から設計料を算出するのは、実際かなり不明瞭であります。

 

そのことから、設計料の目安は予定総工費に対してパーセントを掛けて算出するのが概要的な算出方法です。

 

30年前から総工費に対して4%~20%が目安であり、通常7%程度が一般的です。

設計費=予定総工費×7%としています。

 

実際、建築イニシャルコストがアップしている近年では、予定総工費×7%算出した結果、それでも肌感覚で高く感じた場合、割り引いているのが現状です。

 

経営的事情、労務量の要因で、ネット価格は予定総工費×5%を下回った場合、設計契約に至らない事になります。

依頼者事情でネット価格予定(総工費×5%)を下回る予定設計料の予算配分は、暴力的な要求でしかありません。

 

行政側は、設計者に真面目に仕事するなという価格帯で契約を強いてます。

一方、行政の取り組みは、十分すぎる仕事量と責任性を設計者に一方的に要求されているものだと判断せざる得ないのが近代の設計の実態です。

 

設計者は、業務内容を考えれば、職人そのものです。

職人文化は日本の美学であり、日本人そのもの本質です。

 

行政の取り組みの本質は、責任性の明確化や、仕組みばかりが目立ち、設計者の自主性を奪うものです。

形だけの張りぼての共産文化であり、グローバリズムで構成され、支配を強いるもので、職人感覚や設計者の経験則などを無効かする装置です。

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