見積書の提示について2
2026/10/09
町場の工務店をしていますと、本来の注文住宅とは、あらゆるご要望などを可能な限り実現していく作業です。
予算は、時間の許す限り応じ、可能な限り調査し、検討し、精査し、叶えていく作業です。
予算面も勿論、コストパフォーマンスを念頭にいれて、技術、性能、手間の3つを常時に考慮して決定していきます。
自由な発想を叶えていくプロセスが「注文」なのであり、応えていくものだと思います。
当社は愚直にも、この職人スタイルしか知りません。
ここで、メーカーとは決定的に相違ある事とは、総工費が瞬時に割り出せないという事です。
アっという間に坪いくらが出せると思っている依頼者様
注文住宅でも、経験豊富なビルダーであれば、建設コストが瞬時に割り出せると思っている依頼者様は結構な確率で一定数います。
外壁材、屋根材、基礎構造、断熱仕様でも、坪単価など条件によって簡単に、変化します。
結局、簡易ソフトと決められたプランのかなであれば、算出はあっという間に算定できます。
地道な作業の集積しか算出はできません。幻想です。
概算総工費の割り出し前に必要な作業
町場の工務店でも、概算でも総工費を算出する前に必要な事がいくつもあります。
概要的には、
基本図を製図する
行政に事前相談する
施主の要望を徴収し精査する
地盤調査データをみて、構造検討する
省エネ検討し、サッシのガラスや大きさなどを決める
という複数の作業を同時に進行しなければ、厳密には、概算総工費を割り出す事もできません。
昭和の坪いくらと違う
昭和の坪いくら時代と何が違うかと考察しますと、手続きと材料選定及びその価格の3つが主な要因です。
1つ目が、手続きです。検査や申請、許可、保険などのどの程度行政や第三者機関の検査や申請が必要かなどです。
不明確な事項は、どの現場で必ずあります。
不透明さは最大のリスクですので、行政への調査や、事前協議、現場調査はこの段階で行わないといけないものです。
2つ目の材料選定は、省エネや建築基準法などにある制約が性能基準を有しているかの検討をしていないといけないというものです。
3つ目がその価格です。上記の2つを考慮した価格でないといけないという事ですが、価格変動が激しいので、単純算出ができないのです。
前年度の資材高騰によって参考になりません。いちいち仕入れ業者に確認します。
こんなに概算見積以前に同時並行に作業をする事ですので、いってみれば、坪いくら計算のできる建物は規格住宅でないとできない事です。
注文住宅であれば、坪いくらで即答できる業者は、天才か詐欺師の何れかです。
凡庸な当社は、こつこつ問題点と向きあい、現象をクリアし要望を叶える作業でしか、算定できません。